寝室に、20年以上使い続けている目覚まし時計があるのですが(目覚まし機能は使っていない)、さすがに古くなり全体に粉が吹きはじめたので、新しいものを買うことにしました。
いろいろ探して選んだのは、アルネ・ヤコブセン「ステーション テーブルクロック」(Arne Jacobsen Station Table Clock)。
1943年に製作された「Table Clock Station」の復刻版です。この時計のデザインは、デンマークの駅の掛け時計にも採用されました。
今回は、この置き時計についてレビューします。
ステーション テーブルクロックのディテール
サイズは、直径11cm、スタンド込みの高さ12cm、奥行きは6cm。
長針と短針の2針時計で、もう1本の細い針は秒針ではなくアラームの針です。
そう、この時計はただの置き時計ではなく目覚まし時計でもあるのです。
ちなみにベルの音はこんな感じです↓ 徐々に長くなっていきます。
背面にあるボタンは、アラームのオンオフ用です。アラームはスヌーズ機能付き。
カバーは、本体の後ろ半分あたりを反時計回りにひねって引っ張ると取り外すことができます。
時刻設定、アラーム設定、電池の入れ替えはここから行います。
時計の上部にはセンサーがあり、手をかざすとLEDライトが付くようになっています。
非接触でも付くのですが、軽くタッチするのが確実です。
ステーション テーブルクロックのいいところ
この時計を選んだ理由は以下の2つです。
デザイン性の高さ
シンプルな文字盤にコロッとしたかわいらしいフォルム。
時計なんてそういうものだろうと思うかもしれませんが、細部までこだわり抜いたヤコブセンの調和のあるデザインは、見る人の心を惹きつけます。
時刻の確認だけでなく、部屋を彩るインテリアアイテムとしても活躍してくれる時計です。
色に関してはかなり迷いましたが、私が選んだのは限定カラーのブルー。
若干緑がかったニュアンスのある青で、真鍮色のスタンド(素材はステンレス)との相性も抜群です。
この青色は、光源の種類によってかなり見え方が変わります。ここに載せている画像は、日中電気を付けずに、部屋に自然光が差し込んだ状態での色味に近づけています。
カチコチ鳴らないスイープ運針
寝室で使う予定なので、ムーブメントの音がしないスイープ運針は個人的にマストでした。カチコチと音がするステップ運針だと、どうしても寝るときに気になってしまうんですよね。
これまで使ってきたシチズンの時計を買い替えようと思ったのも、古さだけでなくカチコチ音がその理由のひとつです。
ジョージ・ジェンセンのヘニング コッペル アラームクロックにも惹かれたのですが、ステップ運針だったので断念しました。
ちなみにムーブメントは中国製です。
このサイズの置き時計にしてはかなり高価だし、日本製の汎用ムーブメントを使っても十分儲けは出るだろー、と思ったのですが、購入してから5カ月で30秒程度進んだだけなので、今は特に不満はありません(笑 ただ販売ストアのレビューを見ると、品質にバラつきがあるみたいですね。
ステーション テーブルクロックの微妙なところ
デザインが最高なステーション テーブルクロックですが、微妙なところも正直あります。
素材の安っぽさ
この時計はプラスチック製なので、安っぽさがあることは否めません。
画像だとそれほど感じられないと思いますが、実物を見るとやはりプラスチッキーさがあります。レトロ感があるといえばまあそうなんですが、15,000円ほどする時計としては少し物足りなく感じます。
アルミかステンレスだったら高級感があってよかったんですけどね。
また、カバーを背面ではなく本体の真ん中部分から外さないといけないので、継ぎ目が目立つというところも微妙な点のひとつです。
オリジナル発売当時はプラスチックを使ったテーブルクロックは珍しかったと思いますが、今となっては……、という感じです。
アラーム設定の面倒さ
アラームを設定する部分がカバーの中にあるために、アラーム時刻を変えるのに少し手間がかかります。
頻繁にアラーム時刻を変更する人にとっては面倒な部分かと思われます。
まあ今どきはスマホのアラーム機能を使っている人が多いので、あまり問題になるところではないと思いますが。
本体の角度が変えられない
この時計は横から見ると若干斜め上向きになっていますが、この角度は変えられません。
パッと見、角度が変えられそうな感じの構造なのですが、本体とスタンドは固定されています。
視認性の悪さ
最後に、これは時計としてどうなんだという感じですが、視認性があまりよくないです。
時計の針の先端以外の部分をゴールドにしてしまったため、白い文字盤とのコントラストが低くなり、時刻が見づらく感じます。
起床後すぐに、ショボショボした目で少し離れたところにあるこの時計を見ても、瞬時に時刻はわかりません。針の先端は黒なのですが、この部分は視認性の向上にはあまり寄与せず、カーテンから漏れる光が文字盤に当たったりした日には、もうなにがなにやらです。寝ぼけた状態から脳を一段階現実に引き戻して時刻を確認する必要があります。
なんでこの配色にしたんだろう……。
視認性でいうと、ヤコブセンのテーブルクロックは針が見にくそうなものが多いです。
シティホール テーブルクロックのブルーは、文字盤もケースと同色のブルーに染まっていて暗いですし、バンカーズ テーブルクロックは針がかなり細く、アラームの針と混同しそうな気がします。バンカーズは文字盤の時刻を表すところが細長く伸びているので、なおさらわかりづらそうです。本当はホワイトの置き時計がほしくてバンカーズを買おうかと思ったんですけどね。視認性が悪そうな気がしてやめてステーションにしたら、そっちも見にくかったという(笑
白文字盤に黒い針、アルミフレームのシティホール クロックをそのままテーブルクロックにしてくれたらよかったのに!
あとがき
いいところより微妙なところのほうに力を入れて書いてしまいました(笑
とはいえそういう部分を隠して紹介はしたくないですしね。
視認性に関しては、自分の場合はベッドから少し離れたチェストの上に置いているから見にくいというのもあるので、枕元に置いたり、あるいは仕事や勉強のときに時間を確認するためにデスクに置いておく、というような使い方であれば、それほど気にならないかもしれません。
はたしてこの記事を読んで買いたくなった方がいるかどうか疑問ですが、デザインに全振りしたアルネヤコブセン ステーション テーブルクロック、気になる方はぜひチェックしてみてください。
デザインは本当にかっこいいですし、なんだかんだ言いながら、私も普通に使っています。
視認性を優先するなら白文字盤に黒針のローマンかLKかなと思います。
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