テレビを32インチから43インチのものに買い換えたのですが、今まで使っていたテレビ台だと置けないことはないものの、テレビの横幅より台のほうが小さいため、バランス的にいまいちな感じです。
もう10年以上使っているテレビ台で、テレビの重みで若干歪みも出てきたため、これを機に新しいものにすることを決意。
テレビ台はインテリアの中では大型で、部屋の印象を左右するものです。
できるだけシンプルでスタイリッシュなものを探していたのですが、市販のものではピンと来るものに出会えなかったため、DIYで作ってみることにしました。
テレビ台のデザインを考える
市販品のテレビ台を探していたときに、候補にあがったのが壁寄せテレビスタンドです。
テレビ付属のスタンドを外して壁掛けスタイルのように使えるので、テレビまわりがすっきりしていいなと思ったのですが、その名の通り“壁寄せ”する必要があり、部屋の角に置く必要がある我が家では残念ながら置けそうにありません。
いくつかのレビューを見ると自立もできそうなのですが、もしものことを考えるとやはりためらってしまいます。
というわけで「しかたなく」自分で作ることにしました。
作るにあたって以下の3つを軸にデザインを考えてみました。
・シンプルな構造(作りやすく壊れにくい)
・低コスト
結果、木の板に金属の足を付けるだけという、DIYというのもためらわれるお手軽工作にたどり着きました(笑
シンプルイズベスト!
購入した材料
パイン集成材(1200×360×18mm)
メインの板はラジアタパイン集成材です。値段は2,780円。
サイズは幅400mmのものをカットしてもらって360mmにしました。カット費用は島忠で60円(島忠で買ったもの限定のカットサービス)。
テレビ(SONY X8500F 43インチ)の奥行きが279mmなので、若干の余裕を持たせた感じです。
板の長さは1200mm。テレビの横幅が965mmというのを考えると、このくらいが一番バランスがいいかなと。
本当はウォールナットの無垢材がほしかったのですが、結構な額がしたので断念。いや、買ってもよかったのですが、もしできあがりに満足できなかった場合、値段の高い無垢材だけが残されることになるので……。
ワトコオイル
DIYerみんな大好きワトコオイル。木材に自然な色付けをするオイルフィニッシュと呼ばれるものです。
集成材をそのまま使うと安っぽくなってしまうので、ワトコオイルで古木っぽく染めます。
色はダークウォルナット。ウォールナット無垢材を買えなかったのでせめて色だけでもという思いからです(笑
ワトコオイルは手軽に塗れるのでDIY初心者の方にもオススメです。
木目の美しさをそのまま活かせますし、塗膜を作るペンキと違って塗りムラやハケのゴミなどを気にする必要がありません(塗ったあと拭き取るので)。
その他木材染めに使うもの
パイン集成材にワトコオイルを塗るときに必要なものです。
ハケ、ポリエチレン手袋、オイル拭き取り用タオル、ハンドサンダー(やすりをセットする工具)、紙やすり(240番)、耐水紙やすり(360番)、すべて100円ショップで購入。
オイルの拭き取りには、一般的にウエスと呼ばれるものが使われます。
なんだかかっこいい名称ですが、これはWaste(廃棄物)が転じたもので、単なる布切れのことです。
ホームセンターにも売っているのですが、端の処理もしていない本当にただの布切れにも関わらず、なぜか結構な値段がします。
ということでここではその代わりに100円ショップのタオルを使うことにしました。
ただ拭き取るためだけに使うものなのでこれでまったく問題ありません。
テレビ台の脚は流用
テレビ台に使う脚については、前に使っていたものを流用することにしました。高さは305mm。
本当は新しく買うつもりだったのですが、ローテーブルに使うような短い脚は種類が少なく、なかなかいい感じのものを見つけることができませんでした。
イームズチェアの脚のように見えないこともないので(苦しい)、まあこれでいいかと。
合計金額
合計で5,000円弱くらいでした。
めちゃくちゃ安くすんだ、というほどのものでもないですが、長く使うものですしこれくらいならOKです。
テレビ台の製作
木材にワトコオイルを塗る
ワトコオイルを塗るための下準備として、パイン集成材を240番の紙やすりでしっかりやすりがけします。
両面とサイドをしっかりやすりがけしたら、ワトコオイルを塗っていきます。
結構匂いがするので作業は屋外で。
塗り終わったあと30分ほど乾かし、表面のオイルをタオルで拭き取ります。
そこからさらに1時間ほど乾かしたあと、2回目の塗布(重ね塗り)を行います。
そして塗ったあとすぐに、耐水サンドペーパーを使ってウェット研磨をします。
ウェット研磨をすることでツヤツヤになる……らしいのですが、正直そんなに効果を感じなかったので、やってもやらなくてもいいような気が。
ウェット研磨後にしっかりとタオルで余分なオイルを拭き取ります。
そして丸一日ほど乾かせば完成なのですが、思ったほど色が付きませんでした。
もう少し濃い茶色にしたかったので、3回目の塗布を行いました。
しかし色味はそれほど変わらず。
どうやらパイン材はオイルの染み込みがそれほどいい木材ではないようです。
濃いめの色にはできなかったのですが、古木のような色味になったのでよしとします。
集成材は木材をつぎはぎしたものなので、色の濃い部分と薄い部分ができています。これもまた味わいがあっていい感じです(ポジティブ思考)。
ちなみに3回目の塗布を行なったあと、2、3日ほど外に放置していました。
丸一日くらいだとまだ完全に乾ききっていないようで、部屋に入れるとワトコオイル独特の匂いが広がってしまうからです。
ワトコオイルを塗るときは、週間天気予報を見て晴れの日が続くのをチェックしてからやるのをオススメします。
みつろうクリームで仕上げ
ワトコオイルを塗るだけでも十分美しくなるのですが、表面保護とさらなるツヤを出すために、みつろうクリームで仕上げます。
使い方は簡単で、布の切れ端にみつろうクリームを付けて、木材に塗り込むだけです。
クリームという名称ですが、かなり固く、ワックスのような感じです。
指から伝わる体温で蜜蝋が溶けて、少量でもよく伸びます。
10gの一番小さいものを買ったのですが、1200mm×360mm程度なら十分足ります。
この量にしてはちょっと高いかなと思ったのですが、すごく自然なツヤが出て高級感が増したので買ってよかったです。撥水性もあり、表面が汚れにくいです。
余った分はダイニングテーブルとPCを置いているデスクに使いました。
メンテナンスは3〜6か月が目安らしいのですが、テレビ台の場合はダイニングテーブルと違って日常的に表面を拭いたりすることはないので、持ちがよさそうです。
脚を付ける
最後に脚をネジで留めればテレビ台の完成です。
ネジは木ネジなので、ペンであたりをつけてそのままドライバーでねじ込んでいけばOKです、と言いたいところですが、結構曲がって入ってしまったため、横着せずに下穴を開けたほうがいいです(笑
完成品
予想以上にいい感じのテレビ台ができました。
高さは約32cmと、前のテレビ台と比べて少し下がったのですが、見づらいということはないです。
重心が低いほうが安定感が増しますし、テレビを設置しても圧迫感がなくなるので、むしろこの高さがちょうどいいといえます。
パイン集成材はかなり頑丈なのでこのままでも大丈夫そうでしたが、前のテレビ台が長年の使用によって中央がたわんでしまったので、念のため支え棒を作ってみました。接着はしていないので取り外し可能です。
この棒は100円ショップで買った桐の棒で、ワトコオイルの余りを使って同じ色に染めました。
本当にただのテレビを置くだけの台なのですが、もしここにブルーレイなどの周辺機器を置くなら、同じ色のワトコオイルで染めたパイン集成材を使い、“コ”の字を縦にしたような小さな台を作って、テレビ台の下のスペースに置こうかなと考えています。
以上「シンプルなテレビ台を自作してみた」でした。
シンプルなので作ることに失敗することはないですし、テレビにばっちり合ったサイズのものを作ることができるのでオススメです。