座りすぎは健康によくないという情報を耳にしたことはありませんか。
毎日座って何時間も作業をしている方も多いと思いますが、長時間座っていることによって、2型糖尿病や心臓病罹患率が高まり、寿命も短くなることが報告されています(出典:座位行動 – 厚生労働省HP)。日本人は特に座る時間が長く、座りすぎのリスクが高いといわれています。
また、これらの病気だけでなく、腰痛や痔持ちの方にとっても座りっぱなしというのは辛いものがあります。
これらを解消するのに役立つのがスタンディングデスク。
スタンディングデスクとはその名の通り、立って使うための、高さのあるデスクのことです。
私は2年ほど前からスタンディングデスクを使いはじめ、この記事も、スタンディングデスクを使って書いています。
個人的に、スタンディングデスクに変えてからたまにあった腰痛の回数も減り、ダラダラ作業することも少なくなり、かなりメリットがあると感じています。
今回は、実際に使っているからこそわかるスタンディングデスクの選び方についての解説です。
スタンディングデスクを選んでいるときにハッと気づいたこと
私が最初にスタンディングデスクを購入しようと思ったときに、候補に上がったのがIKEA(イケア)の「KNOTTEN(クノッテン)」です。
コンパクトでデザイン性が高く、14,990円と手に入れやすい価格で、これにノートパソコンを置いて使えばいいじゃん! と思い、IKEAに実物を見にいきました。

IKEA KNOTTEN
実物もサイトで見たのと変わらずかっこよかったのですが、すぐに決めることはせず、近くに置いてあった大型のスタンディングデスクに両肘を置いて休憩しながら、KNOTTENを買おうかどうか考えていました。
そのとき、ハッと気づきました。
スタンディングデスクに腕を乗せて体を支えると楽ということに。
スタンディングデスクで仕事をするといっても、つねに背筋をピンと張った正しい姿勢でできるわけではありません。
人間なので時間が経つと当然疲れてきますし、なにかに寄りかかりたいと思うものです。
そんなとき、体重をかけても壊れない頑丈なスタンディングデスクは役立ちます。疲れたらスタンディングデスクに体を預ければいいわけです。

腕を置けないと疲れやすい
また、スタンディングデスクでの仕事というのはパソコンを使うことが多いと思いますが、前腕の肘近くの部分がスタンディングデスクに乗っていると、そこが支点になってキーボードが打ちやすいです。
コンパクトタイプや、耐荷重が少なく体重をかけられないものだと、腕や肩に疲労がたまりやすくなります。
スタンディングデスクの高さの目安
一般的なデスクの高さは、だいたい70〜75cmくらいです。
そこからどれだけ高くするかですが、当然のことながら身長によっても変わってきますし、それぞれ使いやすいように微調整していく必要があります。

スタンディングデスクの高さの目安
参考までに、身長172cmの私は、107cmの高さでスタンディングデスクを使用しています。
この高さだとディスプレイを少し見下ろす形になるのですが、そのほうが目に優しいですし、肘を乗せたときにしっくりくるのでこの高さに落ち着きました。
買ってはいけないスタンディングデスク
卓上/折りたたみタイプ
普通の高さのデスクの上に置いて、簡易的にスタンディングデスクにするタイプのものです。
スタンディングデスクを試してみようと思ったときに、今あるデスクを活用しようとして選びがちですが、前述したように肘を置いて体重をかけられないと長時間の作業が辛くなります。
また、この手の商品は小ぶりなものが多く、パソコンのディスプレイを置いた場合、キーボードとの位置が近くなって画面が見づらくなることが多いです。
デスクの上のパソコンを置く部分だけが高くなることで、まわりのものを取りにくくなるというデメリットもあります。

これくらいサイズがあるものだといいかも
華奢な作りのタイプ
脚が細いものや、キャスター付き、電話機を置く棚のようなタイプのものは、上記の卓上タイプと同じ理由から、避けたほうがいいでしょう。
高価なパソコンを置くわけですから安定性は大事です。

長時間作業には向いていないタイプ
昇降式タイプ
スタンディングデスクには、手軽に高さを変えられる昇降式というものがあります。
高さを変えることで、立って使うこともできるし座って使うこともできるというわけです。
どちらにも使えて便利そうに思えますが、実際にこの機能を活用している人がいるのかは疑問です。
たいていどちらかに固定しているのではないでしょうか。
電動式やガス圧式ならまだ使い勝手がいいとは思うのですが、手動式(クランク式)の場合はその都度レバーをくるくる回して高さを調整するわけで、面倒になってすぐに使わなくなりそうです。
昇降式タイプそのものがダメということではなく、気分によって高さを変えようと思って高価な可変式を買ったとしても、おそらくほとんど使うことはないだろうということです。

昇降機能を使う機会はあまりなさそう
オススメのスタンディングデスク
オススメのスタンディングデスクは、これまで解説してきたように、しっかり体重をかけられる頑丈な作りのものです。

前腕を置ける奥行きがあるデスクがオススメ
天板のサイズに関しては、普通のデスクくらいの大きさはあったほうがいいです。
特に奥行きは重要で、奥行きがあるとディスプレイとの距離も取れますし、キーボードを真ん中あたりに置いて、手前に前腕を乗せることもできます。
デスクトップパソコンならディスプレイが大きいと思うので、奥行きは60cmくらい、ノートパソコンの場合でも50cmくらいはあったほうが楽に作業できるでしょう。
DIYという選択肢
デスクは基本的に天板に脚が付いただけのシンプルな作りなので、市販品のスタンディングデスクに気に入るものなければDIYで作ってしまうのも手です。
私もいろいろ検討した結果、DIYで作りました。その模様はあとで記事にするので、チェックしてみてください。
疲れたら椅子に座ればいい
スタンディングデスクにすると、ずっと立ちっぱなしで疲れそう、と思う方もいるかもしれません。
実際疲れます。
疲れますが、疲れたら座ればいいだけなんです。

疲れたら座ろう
私はエルゴヒューマンのデスクチェアを持っていますが、座面を一番高いポジションにして、疲れを感じたら腰かけるようにしています。そのまま座りながら作業をすることもあります。
ディスプレイの位置は高くなりますが、慣れればそこまで気になりません。
健康の観点で考えると、座りっぱなしにしろ立ちっぱなしにしろ、同じ姿勢で長時間い続けるのがよくないわけで、立ったり座ったりして姿勢を変えるのはいいことだと思います。
サンワダイレクトのスタンディングデスクで使えるハイスツール。
まとめ
簡単にまとめると、普通のデスクの天板に頑丈で長い脚が付いていればOKということです(笑
キーボードを置く場所が別の段になっていたり、天板の角度が変えられたり、モチベーションを上げてくれそうなリフト式のものもありますが、シンプルイズベスト、フラットで広いデスクを使うのが一番使い勝手がいいと思います。